この記事の目的
・この記事は、JAL(日本航空)へのエントリーシート(ES)作成に不安を感じる方に向けて、書き方のポイントを解説します。
・JAL(日本航空)が求める人物像を踏まえ、エントリーシート(ES)通過者の共通点や具体的な記載例を紹介します。
JALグループは、「全社員の物心両面の幸福を追求し、お客さまに最高のサービスを提供し、企業価値を高め、社会の進歩発展に貢献する」という企業理念のもと、航空業界をリードしています。正しい考え方や美しい心、熱意をもって地味な努力を続けられる人を求めており、エントリーシート選考においても高い競争率が予想されます。対策なしに挑むと、ほぼ落ちるでしょう。
この記事では、元大手人事による監修のもと、JAL(日本航空)の内定者のエントリーシートを分析し、ES作成時の注意点や選考通過へのコツをお伝えします。ぜひ最後までご覧ください。
JAL(日本航空)でよく聞かれるエントリーシートの質問と回答ポイント
【質問】総合体験プログラムで学びたいことを記述してください。
【回答ポイント】
この質問では、あなたの学習意欲、JALへの関心度、そしてJALグループの求める人物像である「正しい考え方をもつ」「熱意をもって地味な努力を続ける」といった要素に合致しているかを知りたい意図があります。単にプログラムの内容をなぞるのではなく、なぜそのプログラムに参加したいのかという具体的な動機と、プログラムを通じて何を学び、それを将来JALでどのように活かしたいのかを明確に記述しましょう。航空業界への熱意や、JALのサービス、安全に対する考え方への共感を具体的に示すことが重要です。
【質問】これまで最も力を入れて挑戦したことと、その実績を教えてください。
【回答ポイント】
この質問は、あなたの「熱意をもって地味な努力を続ける」姿勢、そして目標達成に向けた「挑戦」と「成長」の軌跡を知るためのものです。最も力を入れた挑戦について、「いつ、どこで、何を、どうしたか、結果」を具体的に示し、あなたが目標達成のためにどのような困難に直面し、それに対してどのように「地味な努力を積み重ね」、乗り越えたのかを語ることが重要です。単なる成果の羅列ではなく、その過程での学びや、JALが求める「パーフェクトを目指す」姿勢や「有意注意で仕事にあたる」といった真面目さをアピールできると、より説得力のある回答になります。
【質問】周囲を巻き込んで挑戦したこと、挑戦した理由とその中で感じた困難をどう乗り越え、何を学んだか教えてください。
【回答ポイント】
この質問は、あなたのリーダーシップ、協調性、そして困難に対する「変化対応力」や「正しい考え方」を知るためのものです。周囲を巻き込んだ「挑戦」について、なぜその挑戦を選んだのかという理由を明確にし、その中で感じた困難に対し、あなたがどのように「謙虚に素直な心で」周囲とコミュニケーションを取り、協力して乗り越えたのかを具体的に記述しましょう。単なる成功体験だけでなく、葛藤や失敗から何を学び、それがJALの企業理念である「全社員が一体感をもって力を合わせる」ことにどう繋がるかをアピールできると良いでしょう。
JAL(日本航空)内定者のエントリーシートの共通点
次に、JAL(日本航空)の内定者がエントリーシートで共通して意識していたポイントを解説します。重要度が高い順に記載します。
JAL(日本航空)がどんな人材を採用しようとしているのかを理解する
選考を突破する上で最も重要なことは、JAL(日本航空)がどのような人物を求めているのかを常に意識することです。求める人物像(「正しい考え方をもつ」「美しい心をもつ」「熱意をもって地味な努力を続ける」「パーフェクトを目指す」など)を理解するためには、下記を実践しましょう。
・HPの隅々までのチェック: 企業理念、JALフィロソフィー、事業戦略、安全への取り組み、サステナビリティ、採用情報などを詳細に確認します。特にJALが大切にする「安全運航への強い使命感」や「お客さまへの最高のサービス」に対する姿勢を読み解きましょう。
・説明会やインターンシップへの参加: 可能な限り参加し、社員の方々の話を聞き、社風や仕事への向き合い方、そしてJALフィロソフィーがどのように現場で活かされているのかを感じましょう。
・OB/OG訪問: 実際に働いている社員の方から、仕事のやりがいや大変さ、社風などを直接聞くことが非常に有効です。特に、チームで協力して安全やサービス品質を追求しているエピソードなどを聞くことは重要です。
自分の強みや個性の内、JAL(日本航空)の求める人物像とマッチしているポイントを見つける
JAL(日本航空)の求める人物像(JALフィロソフィーに根ざす要素)を理解したら、自身の経験や強みの中から、これらの要素と合致する点を探し出しましょう。過去の経験を振り返り、「何が正しいかで判断し行動したエピソード」「困難な状況でも謙虚に、前向きに取り組んだ経験」「地味な努力を積み重ね、目標を達成した経験」「完璧を目指して仕事に打ち込んだ経験」などを具体的に洗い出します。
JAL(日本航空)でなければならない理由を明確にする
「航空業界に興味がある」「飛行機が好き」といった理由だけでは、選考を通過することは難しいでしょう。「なぜ航空業界なのか、なぜJALなのかを自分の個性と結び付けて書く」ことが重要です。JALグループの企業理念、安全に対する徹底したこだわり、サービスへの情熱、そしてJALフィロソフィーに共感した具体的なエピソードを盛り込むことで、他の航空会社にはないJALへの強い志望動機を明確に述べましょう。
独自性のある回答にする
多くの就活生が似たような経験や自己PRを語る中で、いかにあなたの個性を際立たせるかが重要になります。JALフィロソフィーを思わせるエピソードや強みを盛り込むことで、オリジナリティのある回答に昇華させることができます。特に、「正しい考え方」「美しい心」「熱意をもって地味な努力を続ける」といったJALならではのキーワードに沿った具体的なエピソードを、あなた自身の言葉で語ることで、他の応募者との差別化を図りましょう。
JAL(日本航空)向けESの書き方まとめ(重要事項チェックリスト)
以上の点を踏まえ、JAL(日本航空)のエントリーシート作成において特に重要な3つのポイントを再確認しましょう。
・なぜ航空業界なのか、なぜJALなのかを、自身の個性や経験と結びつけて具体的に記述できているか。
・JALの企業理念やJALフィロソフィーに共感し、求める人物像と合致する自身の強みやエピソードを具体的に示せているか。
・自身の個性や考え方が伝わる、独自性のある内容になっているか。特にJALフィロソフィーを思わせる表現が適切に盛り込まれているか。
具体例をチェック
ここでは、上記のポイントを踏まえたJAL(日本航空)のエントリーシートの回答例をご紹介します。
【質問】総合体験プログラムで学びたいことを記述してください。
【工夫ポイント】
・プログラム内容への理解を示し、JALの企業理念や安全への意識と結びつける。
・自身の成長意欲と、JALの求める人物像(正しい考え方、地味な努力)をアピール。
・学びたいことの具体性と、入社後の活かし方を示唆する。
【回答例】
総合体験プログラムでは、航空機の安全運航を支える「地味な努力」の重要性を深く学びたいです。特に、航空機整備の現場や運航管理の裏側で行われている「パーフェクトを目指す」細やかな点検作業や、異常発生時の迅速な判断プロセスに触れたいです。座学だけでは得られない、現場で働く方々の「有意注意」の徹底や、チームとして「正しい考え方」のもと安全を追求する姿勢を肌で感じることで、JALグループの根幹を支えるプロフェッショナルとしての意識を醸成したいと考えています。この学びを通じ、将来JALの一員として、お客さまに最高のサービスを安心して提供できる基盤を支える人間として貢献していきたいです。
【質問】これまで最も力を入れて挑戦したことと、その実績を教えてください。
【工夫ポイント】
・「熱意をもって地味な努力を続ける」姿勢と、具体的な行動を明確にする。
・困難の克服と、目標達成に向けた粘り強さを示す。
・実績を具体的に記述し、JALの求める「パーフェクトを目指す」姿勢と結びつける。
【回答例】
大学時代、所属するオーケストラで、創部以来初となる全国大会出場を目標に掲げました。当初は技術レベルの差や練習時間の確保が課題でしたが、私は「パーフェクトを目指す」という一心で、個人練習に加えて週に3回、自主的に基礎練習会を企画・実施しました。特に、苦手なパートの友人と「小善は大悪に似たり」の精神で、お互いの弱点を指摘し合い、改善策を徹底的に話し合いました。地道な努力を積み重ねた結果、各パートのレベルが向上し、音の厚みが増しました。そして、本番では審査員から「一体感のある演奏」と高評価をいただき、念願の全国大会出場を果たすことができました。この経験で、目標達成には地味でも継続的な努力と、互いに高め合う関係性の重要性を学びました。
【質問】周囲を巻き込んで挑戦したこと、挑戦した理由とその中で感じた困難をどう乗り越え、何を学んだか教えてください。
【工夫ポイント】
・周囲を巻き込んだ挑戦の理由と、その中で感じた困難を具体的に記述する。
・困難に対する「正しい考え方」や「変化対応力」を示し、解決へのプロセスを明確にする。
・学びを深掘りし、JALのチームワークや人間関係を重視する文化との親和性を示す。
【回答例】
大学のゼミで、地域活性化プロジェクトのリーダーを務めた際、高齢化による商店街の集客力低下という課題に対し、「若者と商店街を結ぶ新しいイベント」を企画しました。挑戦理由は、地域の方々が活気を取り戻し、「お客さまに最高のサービスを提供する」喜びを感じてほしいという思いがあったからです。しかし、商店街の店主さんたちからの意見の相違や、学生メンバーのモチベーション維持に困難を感じました。私は、店主さんたちの意見を「常に謙虚に素直な心で」丁寧に聞き、学生と店主さんの間で「土俵の真ん中で相撲をとる」ように双方の意見を調整しました。また、学生メンバーには「なぜこのプロジェクトを行うのか」という大義名分を繰り返し伝え、自ら率先して行動することでモチベーションを喚起しました。結果、地元のメディアに取り上げられるほど盛況なイベントを実現し、商店街の売上も一時的に20%向上しました。この経験を通じ、多様な人々を巻き込み、共通の目的に向かって一体となって困難を乗り越えることの重要性を学びました。
書き終わったらこれだけはチェック!(重要度順)
・なぜ航空業界なのか、なぜJALなのかを、自身の個性や経験とJALの企業理念・求める人物像と結びつけて具体的に記述できているか。
・JALフィロソフィー(正しい考え方、美しい心、熱意をもって地味な努力を続けるなど)を思わせるエピソードや強みが具体的に盛り込まれているか。
・自身の個性や考え方が伝わる、独自性のある内容になっているか。
いかがでしたでしょうか。JAL(日本航空)の選考は、高い競争率が予想されますが、しっかりと対策を行うことで内定を掴むことは可能です。この記事で解説したポイントを参考に、自身の経験や想いを深く掘り下げ、熱意とJALへの適性が伝わるエントリーシートを作成してください。応援しています!
【運営者紹介】
元大手人事の就活ドクター
時価総額2兆円超の大手企業で人事採用の要職を担い、年間1000件以上の書類選考、100件以上の最終面接を担当。人事の内部を知り尽くした視点から、選考を突破するための本質的な対策、そして「本当にいい会社」の見極め方を発信。あなたの就活に、確かな診断と処方箋を。
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